【スリランカ】マップで説明!世界遺産ポロンナルワの効率的な回り方と遺跡の歴史に迫る!

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仏教遺跡が多く残る古都ポロンナルワ。

遺跡の端から端までは全長約8 kmと広大な敷地内に20を超える巨大な遺跡が数多く残っています。スリランカで仏教がいかに大切にされてきたのかが感じられる遺跡で個人的にとても気に入ったので、次回行くときの備忘も兼ねて、入場料や全体のマップ、それぞれの遺跡についてご紹介します。

 

 

入場料

ポロンナルワ博物館のカウンターで購入することになります。

2019年2月時点での入場料は25USドル、または4,450スリランカルピーです。

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このチケットで博物館とすべての遺跡群を回ることができます。遺跡内の各所でチケット確認されるので、1日無くさずに持ち歩きましょう。

※チケットが購入できるポロンナルワ博物館は下のマップの4番です。

全体マップ

チケットセンターにてチケットを購入すると、全体マップがもらえます。

マップ上の北から南までは約8 kmほどあるそうで、すべて見ようとすると1日かかる巨大な遺跡群です。

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数ある遺跡の中でメインとなるのは下記の4つなので、④番の博物館でチケットを購入した後は、北上しながら遺跡を回るのが効率的だと思います。

⑦Royal Palace 宮殿跡

⑪Sacred Quadrangle クワドタングル

⑳Lankatilaka ランカティラカ

㉒Gal-vihara ガル・ヴィハーラ

観光ツアーではこの4箇所しか回らないようで観光客が多くいましたが、逆にその他の遺跡には現地の人以外、ほとんど人がいませんでした。

「限られた時間でポロンナルワを観光したい」ということであれば、この4箇所を回るのがよさそうですね。しかし、観光客が多い分ゆっくり見て回るのが難しいので、個人的には自分のペースで回れたその他の静かな遺跡のほうが、遺跡に集中できたのでより記憶に残っています。 

博物館近くでレンタル自転車が借りれるので、体力に自信がある方は自転車で回ることができます。ただ、炎天下での移動となるので、可能であればトゥクトゥクを1日チャーターすることをおすすめします。

歴史

ポロンナルワは、11世紀に南インドのチョーラ王朝の侵略を逃れるため、首都をアヌラーダブラからポロンナルワへ遷移したのが始まりと言われています。

1070年にシンハラ王朝のウィジャヤバーフ1世が17年間の長きにわたる戦いの末、チョーラ王朝を追放。その後即位したパラークラマ・バーフ1世 が都市の発展に努めたことで拡大し、さらにニッサンカマラ王の時代に栄華を迎えます。ニッサンカマラ王の亡き後、自らの保身に走る王が続き、南インドの支持を求めたため、残念ながら王朝の力は衰え、南インドのパーンディヤ王朝に権力を委譲することになってしまったそうです。

歴代の王は仏教の普及に努め、仏教施設の建設に力を入れていたため、今なお数多くの仏教遺跡が残っています。

 

いざ!遺跡群へ!

最南端エリア

②Pltgul vehera Statue(ポトグル・ヴィハーラ)

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高さ3.6mの男性像。

シンハラ王朝のパラークラマ・バーフ1世との説が強いものの、両手にヤシの葉に書かれた仏典を持っていることから、学者との説もあるらしく詳細は謎だそうです。

この横にシンハラ王朝のパラークラマ・バーフ1世が建てたスリランカ最古の図書館(①Potgul Vehera ポトグル・ヴィハーラ)があります。

実はこの2つの遺跡は、チケットなしでも見れちゃいます。2つとも立派な遺跡なので、おそらく他の遺跡と少し距離があるため、管理上の問題でそうなっているだけなのではと個人的に推測してます!笑

 

パラークラマ・バーフ1世の宮殿跡エリア

⑦Royal Palace(ロイヤルパレス)

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スリランカの歴史上、人気高いパラークラマ・バーフ1世が全盛期の頃に建てた宮殿とあって、巨大です!

当時は部屋数1,000を誇る7階建ての宮殿で、現在残っているのはレンガで造られた3階までの部分のみで、木造だった4〜7階は風化してしまったそうです。


宮殿跡の近くには王閣議場跡もありました。

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閣議場の中には数多くの石柱が立っておりそれぞれに大臣の名前が彫ってあり、閣議の時には自分の名前が書かれたところに座っていたそうです…!

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めっちゃ現地の子が笑いかけてくれてますが、石柱に注目ですよw

このあたりは観光客が多く賑わってました。

 

⑧Kumara Pokuna (クマラポクナ)

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パラークラマ・バーフ1世が利用していた沐浴場です。

行き止まりかな?と思うような石壁の先にあるので、見たい人は閣議場の横の道を進んでいってくださいね。

 

クワドラングルエリア

⑪Secred quadrangle(聖クワドラングル)

クワドラングルは「四角形」を意味しており、城壁で囲まれた四角形のエリアに11もの仏教施設があります。

  • Vatadage(ワタダーゲ)

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壁内に入って一番最初に目に入る円形仏塔。

7世紀の建てられたポロンナルワで最も古い仏教施設とのこと。中央には白く塗られたストゥーパが建っており、その周りを囲むように木造の屋根があったそうです。

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入り口が四方にあり、それぞれガードストーンとムーンストーン、その先に座像仏があります。ガードストーンは入口から悪魔が入るのを防ぐため、階段下のムーンストーンは輪廻転生を表しています。この仏塔全てで「宇宙的仏教世界」を表現しているらしいです。

ムーンストーンは外側から内側に向かって「欲望」「生命」「愛する心」「純潔」「天国」が表現されています。それぞれ「炎は欲望」、「象は誕生、馬は老齢、獅子は病気、牡牛は死」、「花輪は愛する心」、「花をくわえた鳥は純潔」、「蓮の花は天国」の象徴として描かれています。

※ただし、ポロンナルワのムーンストーンには牡牛は描かれていません。理由は後述。

  • Atadage(アタダーゲ)

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11世紀にシンハラ王朝のウィジャヤバーフ1世によって建てられた仏歯寺跡。もともとは2階建ての建物で、2階に仏歯が納められていたらしいです。

Ataシンハラ語で8を意味するため、「8日間で建設された舎利塔」または「8個の仏陀に関する遺物が収められていた舎利塔」という2つの説があるらしいです。ただ、これだけの建物が8日でできるのだろうかとの疑問が残るので、個人的には後者の説のほうが濃厚なのではと思ってます!笑

  • Hatadage (ハタダーゲ)

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こちらも仏歯寺ですが、12世紀にシンハラ王朝のニッサンカ・マーラ王により建立されたものです。

Hataはシンハラ語で60を意味し、dageは舎利塔を意味することより、「60日間で建設された舎利塔」または「60個の仏陀に関する遺物が収められていた舎利塔」という2つの説があるらしいです。

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入り口からまっすぐ伸びる廊下の先には、仏像が3体並んでいます。

あとで知ったため見逃したのですが、最初の門を入った右側の壁にニッサンカ・マーラ王を称える碑文があるそうなので、行かれる方はぜひ見てみてください…! 

  • Thuparama (トゥーパラーマ)

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私が回ったポロンナルワ遺跡群の中で、唯一屋根のあった遺跡。

ポロンナルワ遺跡群のほとんどが木造だったのに対し、レンガ造りだったため全体が残っていました。このあたりの違いは何なんだろう…

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朝と夕方に日が差し込んでくるように設計されているらしく、中には複数の仏像が並んでいました。

 

中央部 エリア

メインエリアからは外れているため、一般的なサイトでは紹介されていないのでは?と思う遺跡群のご紹介です。個人的には、観光客がほぼおらずゆっくり回れたので、落ち着いた遺跡も好きという方にはおすすめです。

 

⑫Pabalu Vehera (パバル・ヴィハーラ)

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12世紀にパラークラマ・バーフ王妃が建設したとされる仏舎利

こちらも四方に仏像が残っていることを考えると、世界的仏教世界を表現していたと考えられます。二段式のストゥーパに見えますが、おそらく外側が風化しただけではないかな?

 

⑭Manik Vehera(マニク・ヴィハーラ)

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建築様式から8~9世紀に建てられたものと考えられているそうですが、詳しいことは分かっていないそうです。

 

⑮Rankot Vihara(ランコトゥ・ヴィハーラ)

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12世紀にシンハラ王朝のニッサンカ=マーラ王により建設された仏舎利

Rankot Viharaは「黄金の塔」という意味らしいです。当時は全体が黄金に輝いていたのだろうか?と思いを馳せていたところ、尖塔部分のみ金に塗られていたそうです。

高さ・直径ともに55メートルで、ポロンナルワで最も大きい仏塔です。

 

ヒンドゥー寺院

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マップ上には記載されていない場所に?、小さなヒンドゥー寺院を発見しました。

ポロンナルワ王朝では、当時の政策で南インドより王妃を迎え入れていたため、スリランカでは珍しくヒンドゥー教の寺院がいくつか残っています。

仏舎利などの階段下にあるムーンストーンには通常「象は誕生、馬は老齢、獅子は病気、牡牛は死」と4種類の動物が描かれていますが、王妃が信仰しているヒンドゥー教では牛は神として崇められているため、ポロンナルワ遺跡群のムーンストーンは王妃への配慮から牡牛は彫られていないそうです。

 

ランカティラカ エリア

⑱Baddhasima Prasada

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入り口にムーンストーンがあったので、仏教施設だと思います。

ただ、中央に台座があったり、周りに小部屋(おそらくimage house)があったりと今まで見てきた仏教施設とは形が異なりとても気になりました。インドのハンピでみたヒンドゥー寺院の内部に少し近い感じ。

ここ、個人的にとても好きだったのですが、誰の何の建物なのか、そもそも読み方が何なのかすら全く分かりませんでした。もしご存知の方がいれば教えていただきたいです!!!

 

⑳Lankathilaka (ランカティラカ)

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13世紀にシンハラ王朝のパラークラマ・バーフ3世によって建てられた高さ17mの巨大な寺院。 寺院の奥には高さ13mの仏像があります。

f:id:nomadwork_erina:20190413235359p:plainここで驚いたのが、こ急な階段!

高さ30㎝・奥行10㎝で、当時の人はどのように登っていたのだろうと首を傾げていたところ、「後ろ向きに登るために急に造ってある」とのお話を聞きました。この階段は仏像と対面する形で作られており、「仏陀に背を向けないように、仏陀に正面を向かなければ登れない作り」になっているそうです。

さまざまな国を旅してきましたが、スリランカでは「仏像と一緒に写真を撮っちゃだめ!」と強く注意されたので、「あれ?覚えていないだけで他の国でもそうだったかな?」と不思議に思っていたのですが、厳密には「一緒に写真を撮る=仏像に背を向けることになるので禁止」とされているそうで、仏陀への信仰と経緯の深さを感じました。

 

㉑Kiri Vehera (キリ・ヴィハーラ)

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シンハラ王朝のパラクーラマ・バーフ1世の王妃スバッドラにより建設された仏舎利

Kiriはシンハラ語で「ミルク」を意味しており、母乳がよく出て赤ちゃんが健やかに育つことを願って造られたそうです。確かに、子連れのスリランカ人家族が仏舎利の入り口で休憩していたので、そのお祈りに来ていたのかもしれません。

仏舎利全体に塗られている白色は未だにきれいに残っているので、定期的に修繕しているのかと思いきや、700年前のままだそうです!!これはすごい!

自分でもとても不思議なのですが、この遺跡ではとても幸せな気分に満ちあふれてしまい、自然と踊ってしまいました!笑 

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 バレエもジャズもしていないので適当にクルクルと想いのまま体を動かしているだけです。「心地よい日差し、吹き抜ける風、美しい遺跡と今ここにいられる幸せ」で、体が動くのを抑えきれませんでした。「こんなことってあるんだ!」と自分でもびっくりしました!

 

ガルヴィハーラ エリア

㉒Gal Vihara (ガル・ヴィハーラ)

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向かって左から座像、ヒンドゥー神像に囲まれた座像、立像、涅槃像の4体の巨大な仏像があります。

座像は人々を救う方法を考えている姿、立像は人々を救おうと立ち上がった姿、涅槃像は涅槃に入る姿を表しているらしく、仏陀の一生を表現しているのかなと思います。並び順から想像しただけなので、違ってたらごめんなさい(汗)

どれも巨大で、かなり迫力があります。

 

いかがでしたか。

スリランカの歴史と仏教の変遷を垣間見ることができるポロンナルワ遺跡群。

スリランカを訪れた際はぜひ行ってみてくださいね。